前の前の記事で車中泊のブームについて少し触れたのですが、「車中泊」という言葉の概念が、どうも人によってマチマチであるように思えます。マチマチな概念のまま、マニュアルを発売してみたり、マナーを語ってみたところで、しっかりとフォーカシングできるはずはなく、まずは車中泊という概念と、スタイルをしっかり整理することが僕は重要であると考えています。
それには、フットボールを例えにすると分りやすいかも知れません。同じフットボールでも、サッカー・ラグビー・そしてアメリカンフットボールと実は3つの種目に分かれています。それぞれルールも違えば、グランドも違う… 今、車中泊はまさに「フットボール」と同じ意味合いで使われているのです。
まずキャンピングカーについて考えてみましょう。
上の写真の一番奥に泊まっているキャブコンキャンピングカーは、室内にキッチン、トイレ、ベッド機能を持つ「モーターホーム」です。極端に言えば、宿泊予定地に到着後、一歩も外に出ることなく、食事とシャワーを済ませ、車内で用を足して朝静かに出発することができます。もちろん、そこまでする人はほとんどなく、施設のトイレを使いたいから、道の駅やSAを利用するのでしょう。
しかし、キャンピングカーといえどもバッテリーの充電や水の補給、汚物の廃棄などを定期的に行わなければ長期の旅はできません。それをちゃんとさせてくれる有料のオートキャンプ場ではなく、道の駅でやる人がいるから問題になっているわけです。キャンピングカーの場合、1台であればそれ以外で道の駅や、SAを使って迷惑となる行為はほとんど発生しないでしょう。数台の仲間と車外で歓談をしようとしなければ…ね(笑)。つまり、彼らにとっては、道の駅で「車中泊」することは、少しの自粛で済むこと。云ってみれば「泥棒行為は禁止」ということなんです。
次にミニバンやワゴンについて考えてみましょう。
一番の問題は車内の狭さです。基本的には荷物を積んだままの車内では寝転がる以外のことはできず、食事を摂ろうとするなら外食か中で縮こまって弁当を食べるか、車外に出て自炊をしなければなりません。それを有料のオートキャンプ場ではなく、道の駅でやる人がいるから、時として問題になるわけです。確かにミニバンの中には車内に換気扇があったり、ベッドシートを使用しているものもなくはない。また一人であれば、多少は狭さを緩和できるかも知れません。
しかしその程度で、キャンピングカーと同じ車中泊のスタイルができるかといえば、答えはNO。「モーターホーム」であるキャンピングカーと、所詮は「動くテント」でしかないミニバンでは、同じ「車中泊」でも、そのスタイルも課題となるポイントも全然違ってくるというわけです。
一人ではなく夫婦やカップルがミニバンでキャンピングカーのように道の駅に着いたら、もう静かに寝るだけで、翌朝は早く出発するという行為を何日も継続するには、かなりの旅慣れが必要だと思います。言い換えれば、ミニバンにとって、道の駅は「最も車中泊がしづらいフィールド」。まして暑くなるこれからの季節は、アイドリングを良しとしない人なら、地獄の時間帯が待ち受けているだけではありませんか?
タダで泊まれるとか、安く旅ができるという理由で、道の駅を「車中泊」場所として利用するのは、キャンピングカーのように「先行投資」をしている人には当てはまるかも知れませんが、そうでない人には、それなりの我慢が必要です。そしておそらく、今後ますます我慢が出来ない人が増えることで、道の駅は車中泊全面禁止になる日が来る可能性はけして低くないと思っています。
それに歯止めをかける方法として… まず行政には何が禁止であるかを明確化して欲しいものです。たとえば、水の持ち出し禁止、パーキング内での自炊禁止、パーキング内でのイス・テーブルの使用禁止というふうに明記すれば、もうそれでキャンプ行為は封じられたも同然です。マナーなんて書く必要もないわけでしょう(笑)。車中泊といえば聞こえはいいですが、事実上、僕らがやっているのはPキャン(パーキングキャンプ)に他なりません。そしてPキャンとは、オートキャンプのことなんです。ゆえに、僕は車中泊デビューをされる方には、まずオートキャンプ場で「車中泊」されることをお勧めしています。そこで正しいオートキャンプの認識と、オートキャンプでできることを学び、技術や知識、そしてそれ相応の道具を揃えてから、道の駅に行ってみてください。ちょろっとベッド専用マットを使った程度で快適化できるほど車中泊は甘くない。これまで10点しかテストで点数が取れなかった子供が50点になるくらいのものです。何度も云いますが、根本的に車中泊を快適にするには、キャンピングカーを買うか、オートキャンプのノウハウを身に着けるかのどちらかしかないと思います。金で解決するか、時間と努力で解決するか… 世の中何でもそうなのでは…(大笑)。
ぜひそういった目で、たくさん出てくる「車中泊」の本を選別してみてください。魔法があるくらいなら、僕が最初に教えてますよ(爆)。
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[ 2008/05/06 18:35 ]
雑記 |
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